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紙屋さんって何をしているの? その2 紙の種類は1万種類!?

2016.6.15

さて、前回の紙の話からだいぶ空きましたが、
今回は紙の種類はメチャクチャ多いんですよというお話です。

皆さんの周辺を見渡すと紙ってどこにでもありますよね。新聞紙、雑誌、チラシ、カタログ、書類、ポスター、箱、飲料のパッケージにキッチンペーパーにトイレットペーパー、その他etc……。どこを向いても紙を見ない、触らないという生活は考えられません。そして、触ってみるとどの紙も微妙に違いがあるのがわかります。表面がテカテカした紙、ザラザラした紙、カチカチに厚い紙、ペラペラの薄い紙、表面に模様のある紙、こちらも様々です。では紙の種類って何種類ぐらいあるんでしょう?

数を言う前に、紙がどういう区分になっているかを書いてみましょう。経済産業省の統計用分析を見ると、紙は大きく分けて新聞用紙、印刷・情報用紙、包装用紙、衛生用紙、雑種紙の5種類です。新聞、印刷・情報、衛生用紙はだいたい想像がつくとして、包装用紙はクラフト紙と呼ばれる袋や封筒に使われる紙。雑種紙は工業用と家庭用に分かれますが、トレーシングペーパーやシールなどに使う剥離紙、和紙なんかもあります。

そして、当社がメインで扱う印刷・情報用紙は以下にツリー状にしてみます。

印刷情報用紙
|ー塗工印刷用紙
|ー塗工紙(アート、A1コート、A2コート)
|ー微塗工紙(微塗工・A3コート)

|ー非塗工印刷用紙
|ー上級印刷用紙
|ー中級印刷用紙
|ー下級印刷用紙
|ー薄葉紙

|ー特殊印刷用紙

大分類でこれです。上記の分類は紙の表面に塗工層があるかどうか、塗工層の厚み、使ってる原料の種類なんかによって分かれますが結構細かいですね。そして紙の銘柄、厚さ、寸法、流れ目……そして、特殊印刷用紙は表面の模様や機能性によっても分かれてきます。実際、私もちゃんと数えたことはありませんが、業界の人間同士で話すと、特殊紙や板紙、雑種紙まで含めて厚さや寸法、流れ目まで考慮に入れたとして1万種類は軽く行ってるな! なんて話をします。これだけあると、紙屋の営業ってどんだけ商品のことを勉強しなきゃいけないんだよ……という絶望的な気分になることもしばしば。

ただ、不思議な事に仕事で扱ってるとそのうち自分の得意な分野の紙に詳しくなり、そして関連する周りの紙に詳しくなっていく。結局は扱ってる紙に興味が持てるかどうかがポイント。紙屋にいると日々見本帳やサンプルで紙に触ることも多く、好奇心と興味を持って触れていると、知らず知らずのうちに紙博士になっています。

この知識を活かして、お客様から「この本で使っている紙を調べてほしい」なんていう問い合わせに対応するわけですね。話題のドラマ、重版出来!のマンガでは、紙の切れ端を舐めて紙の種類を判別する購買担当の方が出てきましたが、あの境地まで到れるのか……日々精進です。

・今回のポイント
紙の種類は1万種類超え?

次の記事では、紙屋さんが何を考えて仕事をしているか? というところを掘り下げましょう。

カテゴリー:洋紙業界のお話